ハゲへのからかいには、人格テストの要素が含まれていると思われます。では、そのテストに不合格だった場合、どのように人間関係に影響するのでしょうか？合否の影響を考察していきます。
人格テストに合格したら…
からかいに合格するのは、怒りや不愉快さを乗り越えて、笑いに変えたり道化たりできた場合でしょう。
テストの過程が過酷であればあるほど、遊びとしてスリリングで当事者として楽しみも増します。
このテストに合格すれば、男性同士の仲間としての評価が上がり、仲間であるにふさわしい資質があると認められるのですね。
人格テストに不合格なら…
一方で、からかいに対して取り乱して怒りだしたり、逃げ出したりすると、彼に対する評価は下がってしまうことになります。
日常的に行われるこのテストは、実は合格することよりもしくじることの方が大きな意味を持っているのかもしれません。
つまり、テストの失敗は人物としての評価が下がるだけでなく、仲間としてふさわしくないという決定を下される可能性があるというのです。
テストにうまく対応できないと「ハゲを気にしている人」というレッテルを貼られ、いじめの要素を含まない場合は、彼に薄毛のことを言うのは慎もうということになります。
しくじりは周囲がよそよそしくなる？
からかいは遊びであるからこそ、親しい間柄であるという表明でもあります。
ところが怒りを露わにしたり、取り乱したりすると、一気に周りの人がよそよそしくなったりするのです。
それは、仲間から排除されるという意味合いだけでなく「彼は侵犯してはいけない人」と見なされてしまうから。
人格テストの不合格は、からかいから逃れられる一面も持っていますが、実は人間関係に一線を置いてしまうという側面も持っているようなのです。
では、良好な人間関係のためにからかいをずっと我慢しなければならないのか？という葛藤も出てきますよね。
少なからずストレスを感じてしまうからかいには、耐性を養っていくしかないのかもしれません。
からかう側とからかわれる側、あくまで遊びであり、人格テストでもあるなら、ずっとからかわれることになります。ストレスを感じないよう、受け流すことができるといいですね。
※ハゲを生きる P177-179
