「育毛サービス」とは、育毛サロンや発毛サロンといったものの総称で、一昔前までは男性型脱毛症のメカニズムも不明で、これを診てくれる皮膚科医も少なかったことから、トラブルもかなりあったようです。実際に起きた育毛サービスのトラブルから、悪質な業者に騙されない知識を身につけましょう。
ケース1:治ると断言された
20歳の薄毛に悩む相談者は、最初のカウンセリングで抜け毛の原因を特定され「治る」と断定されました。そこで総額約50万円のヘアケアコースを契約したのです。
ところが、契約の際に購入したヘアケア商品を使うと頭に刺激が。頭皮は真っ赤になり、業者に訴えると「それは血行障害だから」と、マッサージ器の購入を勧められたというのです。
まず、医学的根拠が定かでないのに診断したり、治ると断定するような業者はかなり怪しいと思った方がいいでしょう。
ケース2:解約ができない
20代の相談者は、薄毛が気になり育毛サービス業者へ相談へ。「確実に治る」と説明され、165万円のコースを分割払いで受けることにしたのです。
しかし、2回サービスを受けた時点で解約を申し込むと、違約金として30万円の支払いを請求されたそうです。
この時は、育毛サービスに中途解約時に支払う額の上限が定められておらず、法的規則がありませんでした。
現在は日本毛髪業協会によってクーリングオフや中途解約による自主基準を定めているほか、「絶対治る」という表現や、「このままではもっと薄毛が進行する」などといった不安をあおるような表現があった場合、契約を取り消すことができるようになっています。
育毛サービスの注意点
このように、「絶対治る」「このままではもっと…」という文言や、医学的根拠がないのに「○○脱毛症」などと診断する業者は悪質な可能性が高いようです。
また、ヘアケア商品を次々と買うように勧めたり、高額な契約をさせようとするのもよくありません。
男性型脱毛症であっても、「必ず生えてくる」という文言に惑わされず、ちゃんとした専門医に診てもらいましょう。
薄毛というコンプレックスを逆手に取った、悪質な業者はいつになってもいるものです。しかし、こちらに正しい知識があれば業者の言うことが間違っていることがわかります。正しい知識はお金も毛髪も助けてくれますよ!
※毛髪科学最前線 P84-87