Mさんは現在東京のある大学の大学院生。インタビュー当時は29歳で、恋人と二人で暮らしていました。頭髪についてはもともと薄かったそうで、現在のヘアスタイルは長髪。Mさんは薄毛に対してどのように対応してきたのでしょうか。
薄毛に気づいたのはいつ?
Mさんは物心ついた時から薄かったと言います。中学生の時にはスポーツ刈りで、その時にはすでに友達らの髪と自分の髪が違うなと感じていたそうです。ですが、当然その時には自分がハゲるとは思ってもみなかったのでしょう。
本格的に気になったのは、大学出東京に出てきて一人暮らしを始めた時。抜け毛の多さに気づき「これはヤバイ!」と思ったとか。対策としてスプレー式の育毛剤などを使ったそうです。
ハゲるには早すぎる
抜け毛の多さに気づいたのは20歳前後。さすがにハゲるには早すぎると焦ったMさんは、どのようにしたのでしょうか?
Mさんは、育毛剤について調べたり、薄毛の原因を調べたりはあえてしなかったそうです。なぜなら、薄毛に対して深刻になること自体が嫌だったから。育毛剤を使うのは使うけれど、軽い感じで使いたかったと言います。つまり「薄毛を気にしている自分」「薄毛によって自分の価値観が決まってしまう」ことの方が恥ずかしいと感じたのですね。
深刻にならず軽い感じで対応
Mさんのこだわりは、薄毛に対して深刻にならず、軽い感じで対応することです。髪が薄くても「さほど悩んでいない」自分の像を維持して、演出しているようでもあります。
実はMさんには背が低いという別のコンプレックスもあるのですが、少しでも背を高く見せるためにかかとの高い靴を履くという行為も、「わざとらしくて逆に格好悪い」と評しています。
薄毛に対して、「気にしてないよ」「自分の価値はそこでは決まらないよ」と演出することで、薄毛を乗り越えようと思ったのですね。
20代のうちから薄毛になると、多少の焦りやコンプレックスはあるでしょう。対応の仕方も人それぞれですが「軽い対応をする」という考え方もあるのですね。
※ハゲを生きる P74-76