胎児の頃にすべての毛包が完成?!毛髪の基礎知識

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そういえば、生まれたての赤ちゃんにも頭髪や産毛がありますよね。胎児の頃にすでに毛髪は形成されているということになります。

それはそういうメカニズムで、生まれた後とはどう違うのでしょうか?毛髪の基礎知識をご紹介しましょう。

毛髪はいつ発生する?

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ヒトは、受精卵から細胞分裂を繰り返して胎児になりますが、まだ胎児にもならない妊娠8週より前の胚子期に、皮膚が発生します。

皮膚の一部である毛髪は9週を過ぎた頃に「原始毛芽」という発生初期の毛包が形成されるのです。このように、妊娠に気付くか気付かないか…という頃に、胎児の毛髪の大元ができるのですね!

ヒトの皮膚は、表面を覆う表皮と、表皮の奥にある真皮層に大きく分かれますが、原始の毛芽は表皮から真皮層に向かって伸びていき、胎児6ヶ月頃にはほぼすべての毛包が完成するのだそうです。

毛包ってどんな役割をしているの?

毛を包むと書く通り、毛包とは毛根を包む鞘のようなものです。毛髪は皮膚から出ている部分である部分を「毛幹」、皮膚の中に隠れている「毛根」に分かれます。

髪の毛を引っこ抜くと、白っぽいものが付いていますが、その部分が毛根に当たります。ごくごく小さい器官ですが、5層に分かれており、非常に複雑で重要な働きをしています。

毛包の周りには毛細血管が網の目のように張り巡らされ、そこから髪の成長に必要な栄養分や酸素を毛包に送り届けているのです。

毛包の内部はどうなってるの?

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毛根の一番下には、カニのハサミのような形をした「毛球」があり、その底にあるくぼんだ所が「毛乳頭」です。

毛乳頭を取り囲むように「毛母細胞」がたくさんあり、この全体を毛包が包んでいる状態です。

毛母細胞は、毛細血管から栄養を吸収し、増殖・分化を繰り返して毛髪を作っている、いわゆる毛髪の司令塔。毛髪の生産や成長を担っている大切な部分なのです。

育毛において頭皮を大切に!というのは、この皮膚に埋没した毛根の部分を大切にしましょうという意味も含まれているのですね!

新生児の毛は一回生え替わる

さて、生まれたての赤ちゃんでも、最初から頭髪が生えていますね。母胎の中ですでに毛髪ができる期間が発達しているためですが、実は生まれてから1歳くらいまでに、生えていた髪の毛はいっせいに抜けてしまいます。

これは、新しい毛と交換するためで、新生児特有の生理現象なので心配しなくても大丈夫です。たいていは、抜けてしまう前に新しい毛も生えてきますので、完全に毛がない状態になることはないでしょう。

胎児の頃にはすでに毛包のすべてが完成しているという、驚きの毛髪発生のしくみでしたね!この発生のしくみを知ると、頭髪に限らず、身体中の毛髪が皮膚の一部であるということが納得できます。

外に出ている部分を美しくしたいなら、内側が大切ということですね!

※参考文献「毛髪科学最前線」

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