「糖尿病の人にハゲが多い」「糖尿病がよくなれば、ハゲも治る」という話を聞いたことがあるでしょうか?今回は、薄毛に関する自著もある医師・藤田紘一郎氏の体験談を元に、糖尿病と薄毛の関係を考察してみます。
藤田医師が糖尿病になったのは?
歯科医師であり、寄生虫学や熱帯医学、感染免疫学を専門とする藤田医師は、63歳の頃インドネシアで長期の医療調査を行っていました。
暑い中、連日の激しい活動が続き、毎日スポーツドリンクをたくさん飲んでいたと言います。元々不規則な生活習慣だった上に、暴飲暴食とストレス過剰の生活をしていたために、これにより、急激に体重が減りました。
この時の血糖値は空腹時で500mg/dlを越えていたそうです。
血糖値の正常値は80〜110 mg/dlですから、明らかな異常でした。
糖尿病の治療で何をしたか?
藤田医師は、帰国後、糖尿病専門医の指導で食事療法を行いました。それは、カロリー計算をし、エネルギーの約6割を糖質から摂取するという食事療法でした。
糖質は摂ってよしということですから、白米やラーメン、パンや餃子といった食材も食べていたそうです。
藤田医師いわく、実は糖質を摂っていたことが糖尿病に一番よくなかったのではないかということです。それは、どういうことでしょうか?
糖尿病と薄毛の関係
糖尿病とは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるインスリンが減ったり、働きが悪くなることで起こります。
インスリンが働かないと、血液中のブドウ糖を細胞に取り込めなくなり、エネルギーとして使うことができなくなります。
血糖値が高くなったり、糖が尿に出るようになったりするのは、ブドウ糖が体内に吸収できずにあふれてしまっているという訳なのです。
しかし糖尿病の怖いところは、合併症です。血管や神経がボロボロになったり、腎臓や網膜、心筋梗塞や脳梗塞の原因となったりすることも。
抜け毛が増えたり、薄毛が進行したりするのも、糖尿病の合併症のひとつではないかと藤田医師は言っています。
糖尿病は生活習慣病ですから、日頃から糖質を抑え気味にして、バランスのよい食生活を心がけることが大切です。
糖尿病と薄毛の因果関係は、なきにしもあらずですね。薄毛も糖尿病も、予防で大切なのはやはり生活習慣です。糖質を控えめに、規則正しい食生活を十分な睡眠時間を確保してくださいね!
※55歳のハゲた私が〜 P17-21