江戸時代には歌舞伎役者がよく使っていたとされるかつら。その後時代は変わり、昭和になると女性用のかつらが大流行したようです。その流行の仕方にも時代が反映されていますが、やはり薄毛との関係性は少なからずあるようです。
かつらは養毛剤のことだった?
戦前の1890年代頃の新聞掲載された広告を見てみると、「美人かつら」「るりかつら」という名前の商品があります。しかしこの商品はよく見て見ると、養毛剤のようです。
さらに1888年「男女御髪くせ直し」として「南京かつら」の名前で掲載された広告も、製造は県下の有名な薬舗小間物油店となっているので、やはり養毛剤かと思われます。
この頃、かつらは「毛髪を増やす」という意味で使われていたこともあるようですね。
ただし、戦後になるとこの「かつら」の広告は見られなくなります。
かつらブーム「ウィッグ」の登場
かつらが養毛剤ではなく頭に被るものとなってからブームが起こるのは、1960年代。女性用のかつらを「ウィッグ」と呼び、まるで帽子を被るような気軽さで着けられることから、流行しました。
この国産ウィッグは、とても軽くて被っている感じがせず、見た目にもごく自然であったこと、そして値段も手頃であったことから流行したのではないかと思われます。
この時期には輸出用の洋髪かつらも出され、好況だったそうです。
ファッションとしてのウィッグ
例えば夏にロングヘアは暑いから、ショートカットにして部分かつらを着けたりして、かつらは薄毛で悩んでいる人だけのものではなく、ファッションとして取り入れられていました。
女性用総かつらをウィッグ、部分かつらをヘアピースと呼ぶことで、若い女性から年配の主婦層にまで人気があったようです。
1971年には著名人や芸能人などが自分のかつらの使い方などを紹介しており、ウィッグはお洒落のアイテムだったとも言えますね。
一方で男性用かつらは薄毛を隠すためのものだったため、かつらのイメージが男女で大きく違っていたとも言えるでしょう。
まとめ
女性用かつらは、ファッションとして気軽に取り入れられたためにブームとなったのですね。男性用かつらがファッションとなるにはちょっと無理があったのでしょうか。
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