男性型脱毛症の原因として、遺伝や男性ホルモンが関与しているのは有名な話ですが、はたして科学的に証明はされているのでしょうか?その科学的根拠となるものを紹介していきます。
紀元前400年には記録されていた?
男性型脱毛症は今に始まったものではありません。人類はじまって以来、ずっとあった男性の悩みだったのかもしれませんね。
現に、紀元前400年のギリシャでは、アリストテレスが宦官に男性型脱毛症の人がいないことの記録があるそうです。
宦官とは、去勢をほどこされた男性の官吏のこと。つまり、男性ホルモンが少ないこととの関連性を、この時すでに感知していたのでしょう。
はじめて科学的に証明したのは?
男性ホルモンが男性型脱毛症に関与していると、はじめて科学的に証明したのは1942年のことです。もう80年近くも前のことなのですね。
アメリカのハミルトンという研究者は、以下のような考察から科学的に証明をしました。
・思春期以降に発症
・思春期前に睾丸除去すると発症しない
・思春期後に睾丸除去すると進行が止まる
・テストステロン(男性ホルモン)うを投与すると再び進行しはじめる
この考察によって、男性型脱毛症は男性ホルモンと深い関係があると科学的に証明されたのです。
遺伝の関与の考察
ハミルトンは、上記考察と同時に遺伝の関与のことも観察しています。
それは、男性ホルモンを投与した時の脱毛の進行具合によって、遺伝の影響を観察することです。
男性ホルモンを投与した後、脱毛が進行した男性は、家系的に男性型脱毛症の人が多いという結果になりました。
反対に、男性ホルモンを投与しても脱毛しなかった男性の家系には、男性型脱毛症の人が少なかったのです。
これによって、男性型脱毛症には遺伝も大きく影響していると結論づけたそうです。
父親が男性型脱毛症であれば、その子どもも男性型脱毛症になりやすいということが言えるようですね。
男性型脱毛症については、大昔から対策が考えられていたようですね。時代は変わっても、薄毛というのは男性の大きな悩みのひとつなのでしょう。原因が男性ホルモンと遺伝であることは、科学的に証明されているので、今後も研究は続けられていきます。
※薄毛の科学 P29