「最近、抜け毛に短い毛が多い」と悩んでいませんか?まだ短い毛が抜けてしまうのは、男性型脱毛症の可能性があります。どうして短い毛が脱毛するのか、そのメカニズムを説明します。
毛周期について
毛髪は毛周期(ヘアサイクル)というによって生え替わっています。「成長期→退行期→休止期→次の成長期→…」というように、1度抜けた毛もまた生えてきて毛周期をくり返すので、つねに毛髪は一定量生えているように見えるのです。
しかし、成長期が短く、成長しきっていない毛が休止期に入って抜け落ちてしまうと、毛の量は少なくなってしまいます。
個人差はありますが、通常成長期の長さは2〜6年と言われていますので、それより短い期間で成長期の毛が抜ける、つまり短い抜け毛が多くなるという訳なのです。
どうして成長期が短くなるの?
正常な毛周期であれば、十分な成長期の間に毛幹がしっかり育って太くしっかりしたものになります。
ところが、成長途中で1度抜けてしまった髪は、次に生えてくるとしても毛幹部分が育っていないために、毛の組織が小さいまま生えてきてしまうのです。
大元が小さいまま生えてくるので、さらに太く硬い毛は育たなくなり、また短く柔らかいまま毛が抜けてしまいます。
この悪循環をくり返すうちに、柔らかい毛ばかりが生えてくるようになるのです。
薄毛の人が、いきなりハゲるのではなく、軟毛が多くなるのはこの現象なのですね。
成長期を長くできれば毛は生えてくる?
このように、実は男性型脱毛症の本当のメカニズムは、毛周期が止まるのではなく、短い毛周期を高回転でくり返しているという状態です。
では、成長期を長くすることができれば男性型脱毛症の治療に光明が見えそうですが、まだまだ研究が待たれます。
頭部に完全に毛のない状態になってしまうと、毛の組織は休止期に入ったまま次のサイクルに入れなくなります。こうなると、毛周期が止まった状態といえます。
男性型脱毛症が進行するのは、毛周期のたびに毛が細くやわらかくなっていくというメカニズムだったのですね!最終的に毛周期がストップしてしまう前に、専門医に相談することをおすすめします。
※薄毛の科学 P35-36