薄毛をからかうのには、遊びの要素が多く含まれ、からかう側もからかわれた側も「本気にしてはならない」という暗黙のルールがあるようです。
しかしこの「からかい」には、どうやら「人格のテスト」とでも言うべき要素が含まれているようなのです。
からかいは人格のテスト?
ハゲをからかうのは遊びだから、本気にしてはいけないという暗黙の了解があることは、以前にもお話しました。
しかし、薄毛の人はからかいによって「怒り」と「遊びなんだから怒ってはいけない」という葛藤と戦わねばならず、どのように反応するかはその人の性格にかかっているとも言えます。
実は、この心理的な状況は、からかう側からの無意識の「人格のテスト」ではないかと指摘されています。つまりは、からかわれてすぐに怒る、不愉快を露わにすると「外見にこだわるような人なのか」「このくらいで怒ったりくじけたりするのか」などと、相手の資質を試しているというのですね。
人格テストに合格するために遊びにのっかる?
ハゲをからかわれて、怒ったり無視したりするのは一般的ではないようです。むしろ自ら積極的に薄毛を自虐ネタにし、時にはピエロのような役も演じてみせることが多く見られます。
これは、単に「からかいは遊びだから、それに対して怒るのはルール違反」というだけでは説得力がないように思えます。
からかわれた側も「これは人格のテストだ」と無意識ながら受け止めて、このテストに合格するためにからかいにのっかり、それを克服しようとしているのかもしれません。
からかいは過酷な方が面白い?
この人格テストは、いきなり訪れます。「今からテストしますよ」という何の前触れもなく「おい、ハゲ」などとふいに呼びかけられたりするのです。
呼びかけられた側は突然やってくるからかいに、「この野郎」という怒りと、「何を言われても泰然自若としていよう」とする心理が働きます。
この相反した精神的な乖離をどう持ちこたえるか、そしてどのような方法で持ちこたえるかがまさにテストされていること。
この精神的な乖離状態が過酷であればあるほど面白く、テストする側からすると意義が深いとも言えます。
薄毛へのからかいは遊びであり、さらに人格テストの要素まで持っているとは驚きですね。それほどまでに男性の外見というのは大切なものなのですね。
※ハゲを生きる P175-177