毛がある動物は哺乳類だけ?進化のどこで毛は現れたのか?

1x1.trans 毛がある動物は哺乳類だけ?進化のどこで毛は現れたのか?

何気なく触れている「毛」ですが、実は「毛」が生えている動物は哺乳類だけであると気付いていましたか?
これから「毛」とは何かを考えていく上で、最も根源的な「毛」の発生について見ていきましょう。

哺乳類だけにある毛

人間も哺乳類の一種ですが、哺乳類の特徴といえば、胎児を子宮で育ててある程度大きくしてから産むこと、そして母乳で子どもを育てることにあります。
ところがもう一つ、哺乳類の大きな特徴が「毛」なのです。

動物のことを「けもの」と呼びますが、これは「毛物」から来ているとされています。水中動物であるクジラやイルカも哺乳類ですが、水中での活動に適応した結果だと考えられています。
なぜ、哺乳類だけに毛があるのでしょうか。

化石に見る哺乳類の進化

1x1.trans 毛がある動物は哺乳類だけ?進化のどこで毛は現れたのか?
科学雑誌『ネイチャー』に掲載された記事によると、6000万年前の肉食動物の糞や猛禽類の吐き出したものの化石から、絶滅した動物の毛が見つかったそうです。
これには、現在の動物の毛にあるキューティクルとそっくりな構造が見られ、哺乳類とはかなり遠い種類であるにもかかわらず、毛というものの構造が太古の昔からほとんど変わっていないと言えます。

このことから、哺乳類の進化の過程で毛を作る変化が起こったのは、たった1度だけだったのではないかと推測されています。

毛はなくてはならないもの

1x1.trans 毛がある動物は哺乳類だけ?進化のどこで毛は現れたのか?
哺乳類全体の共通の毛が生えた祖先がいて、同じようなメカニズムで哺乳類も毛を作ったのだろうということですね。

毛は化石になりにくく、あまり資料がないので正確にいつごろ毛の生えた動物が出現したのかわかっていません。しかし、ほぼすべての哺乳類の身体が毛に覆われているのは、地上で暮らすのに毛が必要だったということです。

過酷な環境にあって、無駄なものは淘汰される中、長い年月毎日も日続けるもの、つまり栄養を与えなければならないものがあるということは、必要不可欠なものであるといえるのですね。

毛が哺乳類にしか生えていないとは、意外に気が付かずにいた人も多いのでは?毛が何のためにあるのか、次回からも興味深い話をお届けします。

317

  • このエントリーをはてなブックマークに追加