円形脱毛症のあと白髪が生えてくるのはなぜ?メラニン色素との関係

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円形脱毛症のほとんどは、自然治癒すると言われています。しかし、治ったと思ったのに白髪が生えてきたという人もいるようです。どうして円形脱毛症のあとに白髪が生えてくるのでしょうか?この現象の謎を科学的に見てみましょう。

円形脱毛症とメラニン色素

ヒトの身体は、ウイルスなどの外敵が侵入してくると自己免疫反応によって戦います。その時作り出すのが「インターフェロン」というものです。

この自己免疫反応のターゲットとなるのは、もちろん外敵ではあるのですが、自分の組織をも攻撃することがあるのです。そのターゲットとなるものにメラニン色素に関連するタンパク質があると考えられています。

毛髪も毛を作る毛根の組織にメラニン色素が存在するため、円形脱毛症で脱毛した部分から生えてくる毛は、白髪になるのではないかと予測できます。

自己免疫とメラニン色素の関係

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毛髪はもともと色素がありません。毛根で誕生する際に、メラニン色素が黒い色をつけるのです。

ですから、自己免疫でメラニン色素が攻撃されると、治りつつある毛でも毛根で十分なメラニン色素を作ることができず、白髪のまま生えてくるのではないかと考えられます。

逆に、メラニン色素の少ない白髪は自己免疫反応のターゲットとならないため、円形脱毛症を発症しにくくなります。白髪と黒髪が混在する人は、黒髪ばかりが抜けるということになるのです。

皮膚でも起こるのが白斑(はくはん)

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円形脱毛症とメラニン色素の関係のようなことが皮膚で起こるのが「白斑(はくはん)」と呼ばれるものです。
肌の一部が色が抜けたように白くなる現象で、自己免疫反応によるものだと思われます。

まだ解明されていないことも多いのですが、円形脱毛症の後に白髪が生えてくるおおまかな理由はわかりましたね。自分を守ろうとする免疫反応が自分の組織までターゲットにしてしまうのは、何とも皮肉ですが、時間が経てば黒髪になることもあるようです。

※薄毛の科学 P70

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