正常なヘアサイクルのしくみとは？

髪の毛の数は人それぞれですが、生まれた時から決まっています。そして毛髪一本一本がそれぞれのヘアサイクル（毛周期）を繰り返しています。
正常なヘアサイクルを知ることで、気になる抜け毛が正常の範囲内かどうか計ることができますね！

何度も出てくる「ヘアサイクル」ですが、もう一度復習しましょう。

・成長期…毛細血管から取り入れた栄養から、毛球部で毛が製造されている。毛母細胞が分裂を繰り返しており、作られた毛を上部に押し上げることで髪の毛が伸びる。
・退行期…毛母細胞の分裂が急激に衰える。色素細胞も活動をゆるめる。
・休止期…細胞分裂が止まり、毛の製造、伸長も完全に止まる。

休止期の後、古い毛は抜け落ちて、次の成長期に移ります。成長期の間は髪が伸び、伸びなくなった毛は抜け落ちて生え替わるということですね！

では、ヒトの毛はどのくらいの期間で生え替わるのでしょうか。犬や猫のように一斉に生え替わることがないのは、それぞれの毛包が別々の周期だからです。

成長期が2～6年、退行期は約14日間、休止期は約3ヶ月となっており、同じように見える毛髪も、数年ごとの単位で見ると、すっかり生え替わっているのですね！

ヘアサイクルのうち、退行期と休止期にあたる毛髪は、全体の10％です。

つまり、毛髪が10万本あるとすると、約3ヶ月の間に1万本が抜けてしまうということになります。

結構ビックリする数ですが、1日に換算すると100本くらいは抜けても正常の範囲内ということです。

普通のヘアサイクルで抜けた髪は、寿命をまっとうしただけで、また同じ数だけ毛が生えてくるのです。

ところが、年齢を重ねると、退行期や休止期にあたる毛が増えてきます。これは誰にでも起こる老化現象なので異常なことではありません。
まだ成長期の毛が抜ける、成長期の期間が短くなると、なんらかの異変が起こっていると考えてよいでしょう。

わたしたちのヘアサイクルは、一生のうちに約15回くらい繰り返されるそうです。まったく気付かないうちに、数年ごとに毛髪がすっかり入れ替わっているなんて不思議ですね！

10年ぶりに会った友人の髪の毛は、以前の髪の毛とまったく違う毛…ということですね！

※参考資料文献「毛髪科学最前線」