塗る薬から、飲む薬へ。フィナステリドの登場と認可の経緯

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以前は男性型脱毛症の治療といえば、頭に直接塗る外用薬でした。

ところが、フィナステリドの登場によって、治療戦略が画期的に進歩したのです。もともとは前立腺肥大の治療薬として開発されたこの薬、どのようにして男性型脱毛症の治療薬になったのでしょうか?

また、その効果はどうなのでしょう?

フィナステリドとは?

フィナステリドとは、前立腺肥大の治療役として1983年にアメリカで開発され、1992年にFDA(アメリカの食品医薬品局)に認可されました。

ところが、この薬の認可を得るために行われた臨床試験で、患者さんに増毛の効果が現れたことから、育毛剤としての研究もされるようになったのです。

アメリカでフィナステリドが男性用脱毛症の治療薬として認可されたのは、1997年のことでした。実に、開発から14年もかかっています。

フィナステリドの作用

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男性用脱毛症の薬としてのフィナステリドは、商品名を「プロペシア」といいます。男性型脱毛症は、男性ホルモンのテストステロンが細胞内でⅡ型の5α-リダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変わることが原因で、毛乳頭の細胞内に作用して起こります。

フィナステリドは、このⅡ型の5α-リダクターゼの作用を妨げて、男性型脱毛症を治療するのです。つまり、テストステロンの影響を受けても、DHTに変化しにくくなるという仕組みです。

日本での認可は?

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日本でフィナステリドが厚生労働省に認可されたのは、2005年でした。アメリカから10年近く遅れたことになります。もちろん、日本でも臨床試験が行われました。「二重盲検比較試験」という方法で、複数のグループに分けた被験者を、試験の対象薬を与える方、偽の薬を与える方とで比べるのです。

フィナステリドの臨床試験は、無作為に分けた3つのグループにフィナステリド1㎎錠、0.2㎎錠、偽薬を与えて行われました。

こうした臨床試験の結果、厚生労働省でフィナステリドは認可され、日本でも治療薬として使用できるようになったのです。

薬が認可されるまでには、長い年月と臨床試験を経ているのですね!

いずれにしても、男性型脱毛症の強い味方の登場に、喜んだ方も多かったことでしょう。

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