人種によって髪の色が違うのはなぜ?メラニン色素のお話し【その1】

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白人には金髪や赤毛、ブルネットといろんな髪の色がありますが、黒人やアジア人は濃茶色から黒の人がほとんど。髪の色は、どうやって決まっているのでしょうか?いろんな説があるので、その謎に迫ってみましょう。

メラニン色素がすべての髪色を決める!

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結論から言うと、金髪も赤毛も黒い毛も、すべてメラニン色素が元になっています。紫外線に当たると肌が黒く変化するのもメラニン色素の仕業ですが、髪の毛の色の元になっているのもこのメラニン色素なのですね!

メラニンは色素細胞によって作られ、メラニン顆粒として毛母細胞に受け渡されるのです。このとき、メラニンが色素細胞からどうやって毛母細胞へ移動するのかは、まだ謎のままです。

しかし、メラニン顆粒は無差別に周りの細胞に取り込まれる訳ではないようなのです。

メラニンはどうやって色を作り出している?

メラニンには2つのタイプがあります。ひとつは「ユーメラミン」という茶色〜黒色の毛に含まれるもの。
もうひとつは「フェオメラニン」という主に赤毛に含まれるものです。たったこの2つのタイプで、多様な色を作り出しているのですね!まとめると、以下の通りです。
・ユーメラミン……黒
・フェオメラニン…淡い黄色~赤色
この組合せで、さまざまな色合いを出すことが可能なのです。

動物の毛の知恵

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野生のリスやタヌキなどの毛は、よく観察すると1本の毛の中に黒や黄色が」まだらに混じっています。犬や猫の毛も、一本の毛に何色か混じっていたりしますよね。

これは「アグーチ毛」とよばれているもので、メラニンのタイプを周期的に変えていることによって作り出していると思われます。自然の中で保護色を作るための知恵なのでしょうが、メラニンのタイプを変えるなんて、素晴らしいメカニズムですよね!

どうやって毛の色が決定されているのか、そしてたった2つのタイプで多種多様な色合いが作り出されているなんて、驚きです。まだまだ不思議なメラニン色素のお話しは【その2】へ続きます。

※参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著

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