成長期が短くなって起こる男性型脱毛症、どんな病気なの?

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大きく分けて2つの種類がある脱毛症ですが、そのうち男性型脱毛症(AGA)と言われているのはどんな症状なのでしょうか?

成長期が休止期に?

ヘアサイクルのお話で、成長期は一般に2〜6年という期間があるということを書きました。ところが、毛がどんどん生まれ伸びていく成長期の期間が極端に短くなると、成長期であるはずの毛が休止期となり、休止期の毛は抜け落ちていくために抜け毛が増え、結果的に薄毛になります。

この、成長期の毛が休止期に入って脱毛する「休止期脱毛」が男性型脱毛症と呼ばれています。
ちなみに、成長期にもかかわらず髪が抜けてしまう症状の代表は円形脱毛症です。

男性型脱毛症の発症率は30%

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40代の男性の男性型脱毛症の発症率は、30%という報告があります。これを多いとみるか少ないとみるかは別ですが、壮年男性の3人に1人の割合で男性型脱毛症になる訳です。

男性型脱毛症の原因は、朝シャンやストレスとはよく言われてますが、25年ほど前の調査でも男性型脱毛症の比率は変化がないため、朝シャンはあまり関係がないのかもしれません。

朝シャンが原因というよりは、使っているシャンプー剤やシャンプーの仕方を見直すべきでしょう。

70年前に男性型脱毛症の原因を発見?

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古くはアリストテレスやシーザーさえも男性型脱毛症で悩んでいたのではないかと言われていますが、それほど男性型脱毛症というのは昔からある病気なのですね。

ところが、そのメカニズムが解明されたのはたった70何前なのです。アメリカの解剖学者J.B.ハミルトンによって、男性ホルモンと遺伝が関与していることがわかりました。

思春期前後に去勢された人に男性ホルモンを投与すると、その後発毛パターンが一定したのに対し、家系的に男性型脱毛症がいる人は男性ホルモン投与によって脱毛が始まったというのです。

男性ホルモンは思春期にヒゲやわき毛などを発育させるのに、どうして頭頂部の毛は軟毛化もしくは脱落させてしまうのでしょう。
その謎は、また別のコラムでご紹介していきます。

発毛と脱毛、男性ホルモンと遺伝の関わりは、パラドックスをはらみ、本当に複雑です。次回からも一緒に謎を覗いていきましょう。

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