ヒトは哺乳類なのに、どうして体毛で覆われていないの?

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ヒトは哺乳類の一種ですが、水生のクジラやイルカ以外で体毛のない“変な”哺乳類です。どうして人類は体毛を失ったのか?

体毛がなくなったことで、何を失い何を得たのかを考えてみましょう。

どうして体毛がなくなったのか?

答えから言いますと、ヒトから体毛がなくなった理由は解明されていません。一時期水中生活をしていたとか、寄生虫が付かないようになど諸説ありますが、森を出て草原で生活し始めた頃に、何らかの突然変異で体毛を失ったのではないかとされています。

ところが、体毛がなくなってもヒトにとってそれほど不利でなかったため、そのまま進化してきたのでしょう。しかしながら、毛があることのメリットを失ったことも確かです。どうやって補ってきたのでしょう?

体毛と共に失ったもの

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体毛があることで色んなメリットがありますが、一つには保温効果があります。身体中を覆う長毛がなくなったことで体温維持に不利になった代わりに、ヒトは皮下脂肪を発達させて断熱効果を高め、エクリン腺を発達させて冷却効果を高めて補ってきました。

また、動物の毛皮などを加工して身につけることでも、保温や皮膚の保護といったことも手に入れました。
また、自然の中に溶け込む保護色や頬ひげのようなセンサー機能も失いましたが、ヒトは発達した脳によって失った能力を補ってきたのです。

毛の接触感覚は感情と繋がっている?

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毛には接触センター機能がありますが、わずかばかりに残ったヒトの体毛にはきちんと残されています。

例えば、寒ければ立毛筋が働いて鳥肌が立ちますが、これも接触センサーによるものです。しかし、鳥肌は寒い時ばかりだけでなく、嫌いな人に触れられたりした場合にも現れます。これは、毛の動きが感情と密接に関係している証拠でもあるでしょう。

毛の一本一本にまで神経が伸びており、感情を表す道具としても使われてきたのです。そういえば、怒った時に毛を逆立てる猫などの哺乳類が思い浮かびますね。

わたしたち人類が、どうして髪の毛以外の毛を失ったのか、謎のままだったのですね。次回は頭にだけ毛が残った理由も考えてみましょう。

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