毛が伸びる際にも周期がある

昔、テレビのコマーシャルで、「髪は長い友達」というフレーズを聞いたことのある方は多いと思います。

ですが、その長いお友達である毛は、残念ながら永遠に伸び続けるわけではありません。

成長期、退行期、休止期を繰り返す周期を持っています。この周期を毛周期と呼びます。

この毛周期の進行によって、毛包は成長期・退行期・休止期と変化していくのです。

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ではそれぞれの周期にどんなことが起こっているでしょうか?

成長期

初期に毛包が成長を開始し、不活性化していたパピラが再活性をされます。

それによって、消失していた毛母細胞が再形成されて毛幹や内毛根鞘が伸長しはじめ、中期には、毛幹も一定の太さで伸長しはじめます。ちなみに人間の頭髪の成長期間は3~7年と言われています。

退行期

退行期とは、成長期が終了する時に何らかの信号が伝達され、毛包は休止期に入る準備を始めます。その準備期間(人間の頭髪の退行期は2~3週間)を退行期と呼びます。

この時期に見られる変化として、色素細胞の衰退が見られます。色素細胞はメラニンの合成をストップさせ、それと同時に細胞質が細くなっていきます。その後内毛根鞘の細胞が消失、毛母細胞の細胞分裂も急速に衰え、分化段階に移行していた毛母上部の細胞は毛幹になります。

休止期

休止期の毛はしばらくの間、毛包にとどまりますが、物理的刺激によって抜け落ちていきます。

その抜け落ちた毛の末端が棍棒(こんぼう)状であれば、ちゃんと成長期→休止期まで正常に周期を終え、自然な抜け毛といえます。

もしも毛の末端が棍棒状になっていなければ、まだ休止期になっていないのに、何らかの原因で抜けた可能性が高いということになります。

休止期は人間の頭髪では4か月~6か月続くと言われており、休止状態から成長期に進むためにどういった経緯があるかは、現在まだ解明されておりません。
こういったところが解明されていくと発毛に役に立つでしょうね。

参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著

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