シャンプーとボディ用シャンプーはなぜ違う?髪の化学的性質について

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身体を洗うボディシャンプーと、毛髪を洗うシャンプーが別々なのはどうしてなのか、不思議に思ったことはありませんか?

ボディ用シャンプーで髪を洗うと……ギシギシになった経験のある方もいるかもしれませんね!髪の性質を化学的に見ると、どうして使い分ける必要があるのかがわかります。

毛髪はアルカリに弱い!

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酸には強い毛髪ですが、実はアルカリにはとても弱く、pH8.0くらいから軟化し始め、pH13.3で溶解し始めてしまいます。

ボディ用の石けんはpHが10~10.5とアルカリ性で、髪が軟化しはじめる数値なのです。もちろんそうなると、髪は傷みます。

石けんやボディシャンプーで髪を洗うと、ギシギシとまったく滑らずゴワゴワになる原因は、アルカリに弱かったからなんです。

毛髪には皮膚と違って中和脳力もないので、放置して元に戻るワケではありません。
石油系の界面活性剤を使用したシャンプーも良くはありませんが、石けんなどで洗うと髪自体を傷めてしまいますので注意が必要です。

毛髪はどんな成分でできている?

毛髪は爪と同様に、ケラチンというタンパク質でできていますが、皮膚の角質から変化したものであっても、毛と爪がまったく同じ成分というワケではありません。
分析した人によって、多少の数値の差はありますが、以下に毛髪アミノ酸分析表の数値を掲載しておきます。

・グリシン 9.5g
・アラニン 4.0g
・バリン 4.7g
・ロイシン 9.1g
・イソロイシン 2.2g
・フェニルアラニン 2.7g
・プロリン 3.7g
・セリン 7.6g
・スレオニン 7.2g
・チロジン 3.1g
・アスパラギン酸 8.0g
・グルタミン酸 14.8g
・アルギニン 9.6g
・リジン 2.6g
・ヒスチジン 0.9g
・トリプシファン 0.7g
・シスチン 16.0g
・メチオニン 1.0g

引用:「ヘアサイエンス」((社)日本毛髪科学協会発行)

メラニン色素との関係

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メラニン色素が色を作っていることはご存知でしょうが、毛幹のケラチンをつくる毛母細胞と同じ、毛根の基底部に色素細胞があります。

メラニンは最初は無色透明のチロシンしか持っていませんが、酸化酵素のチロシナーゼやその他の酸化剤によってメラニンとなり、すぐにタンパク質と結合して褐色の毛の色になるのです。

肌を黒くするメカニズムも、基本的にはこれと同じです。白髪になるメカニズムにも関係していそうですね!

●まとめ
毛髪を化学的に分析すると、酸には強くアルカリに弱いということがわかりました。
自然派がいいからと、石けんで髪を洗うと髪が傷む原因となりますので、シャンプーはよく選びたいですね!メラニン色素については、また詳しくお話しします。

※参考文献「毛髪の科学と診断」

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